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2005年11月28日

日本モノづくり学会@技術経営セミナー

昨日(2005年11月27日)、13:30~17:30まで、東京理科大学総合技術経営大学院の協賛で森戸記念会館にて、「日本モノづくり学会@第2回技術経営(MOT)セミナー」が開催されました。

花王前会長、常磐文克氏の基調講演内容をご参考まで掲載します。
これからも、機会を見て、適時参加し、
MOTにかかわる活動を応援して参りたいと考えています。

<プログラム>
0.挨拶:日本モノづくり学会事務局 斉藤友明 代表幹事
1.基調講演 常盤文克 花王前会長 「質を競うものづくり経営」
2.ケーススタディ1:イナゴ株式会社
3.ケーススタディ2:岡本硝子
4.MOTディスカッション

以下、基調講演の内容を要約しました。

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1.基調講演 花王前会長 常盤文克氏
「質を競うものづくり経営」

・これからは質を提供する姿勢
質という切り口で、今の経営を見てみると、概ね復調傾向にあるといえる。
ただし、以前のように、同じ業界の全部が上向きではない。
伸びている企業は、質を提供し、伸びていない企業は、その周辺で量を売る既存の仕組みを続けている。結果、質を提供する企業は、回転する円の中心に位置づけられ、繁栄するのに対し、周辺で量を売る企業は遠心力でどんどん弾かれてしまう。

顧客(需要側)からすれば、安いだけで買うことはなく、好みで商品・サービスを選択する時代が到来している。企業としては、こういう好調な、時代が良くなっているときに、そうした差別化が何故起こるのかを分析すべきであろう。

・グローバルを考える
次にグローバルという言葉だが、使われ始めて10~15年が経過している。もてはやされ、ファッションのように流行になっているが、意味が曖昧なままである。

日本でいうグローバルというと何かにつけ「アメリカでは~」となっている。これは良くない。もっとヨーロッパに目を向けるべきであり、ヨーロッパでは、「欧米」としてヨーロッパと米国を一緒にしてしまうことに露骨に嫌な顔をする人もいる。ヨーロッパにはヨーロッパの(EUとしての)アイデンティティーがあるので、それぞれの価値観のなかから、良いところを学び、悪いところは反面教師にすればよい。

それぞれが個性(質)を持っているのが、ヨーロッパであり、海外に進出する場合、安い労働力や現地のマーケットという部分だけに着目していては、結局行き詰まることになる。

・質を作り出す
自分達と違う人やモノと接することで自分達のポジションを知り、幅を広げる努力が大事である。ベストプラクティス(相手の良いところを模倣する)に定石などというものはないが、質を求めようとするならば、どういうことをすべきか。
 
まずは、仕事を選び、それを基本に新しい価値観を付加することが求められる。エビやカニの脱皮ではなく、さなぎが蝶になるような変身を目指すべきである。さらに新陳代謝が大事であり、古いものを捨てなければ新しいものを入れられなくなる。捨てることをためらわず、チャレンジすることが大切である。

・2つのアプローチ~新しい企業=市場の連携タイプ
一つには、原材料から加工、顧客までの流れをもって事業を捉えることであり、例えば、吉田かばんなどが挙げられる。あるいは、痛くない注射針の開発での、岡野工業とテルモのコラボレーションなどが該当する。

もう一つは、分野を絞ることである。東海バネのようなバネ専門企業で、少量多品種で受注を請け負う。こうした企業では、全社員が技能工などの資格を有し、会社をわざと大きくしない(少数精鋭)で質の維持に臨む。

・コトづくり
モノづくりの根底には、コトづくりがある。例えば、プリウス(自動車)は、新しい自動車を作っただけではなく、社会に対し、自らの車づくりの目指す方向性として、環境への配慮や、プリウスを介した生活提案など、新しい関わりを模索している。そして、概念だけでなく、具体的なモノ(ハイブリッドモーター)で具現化するとともに、業界の競合他社にも刺激を与えている。

目標や夢は掲げるだけでなく、実現へのステップまで示せることが理想である。
これからは質の社会であり、量よりも質が重要だ。10社あれば、10の異なる質がある世界を模索すべきである。

■以上

投稿者 isdr : 2005年11月28日 18:09