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2007年09月27日

第三回MOTシンポジウム@セミナーメモ

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第三回MOTシンポジウムが、本日、東京の大手町にあります日経ホールで開催されました。

活発な議論が、当初の予定であります17:00を越えて、18:00近くまで行われました。
今年は、MOT協議会の10の大学院のうちの、3つの大学院に対し、認証評価が試行されたことから、その報告と、新たなMOT教育に向けての討議が行われました。

以下、簡単なメモを作りましたので、ご報告いたします。

日時:2007年9月27日(木) 13:00-17:55
会場:東京大手町・日経ホール

テーマ:「第3回MOTシンポジウム-MOT教育の最前線、認証評価試行を踏まえて」

1.開会挨拶(MOT協議会、文部科学省、経済産業省)
2.基調講演「企業の成長を支える技術経営」花王、後藤卓也取締役会長
3.基調講演「企業イノベーションとMOT教育」日立製作所 中村道治フェロー
4.パネルディスカッション「認証評価試行を踏まえて」

2.基調講演「企業の成長を支える技術経営」花王、後藤卓也取締役会長
花王の後藤会長は、これからの商品開発として、消費者を捕らえる商品コンセプトづくりの重要性を掲げました。商品開発の五原則(社会的有用性、創造性、パフォーマンス・バイ・コスト、調査徹底、流通適合性)に則り、基盤研究から差別化技術を創造していることや、社内外のコラボレーションによる更なる推進の可能性などに言及。環境がどう変わろうとも、もっとも重要な経営資源は技術であり、事業の成否は、企業の総合力で決まるという言葉が印象的でした。

3.基調講演「企業イノベーションとMOT教育」日立製作所 中村道治フェロー
日立製作所の中村フェローは、日立グループの生い立ちから紐解き、ビジョナリーカンパニーを目指した企業ブランドや社会的使命感の共有、継続は力、最後のひと踏ん張り、フラットな組織、グローバル化、協創、機能づくりなどが掲げられました。MOTについては、第一世代(70~80年代)は日本型協調重視、第二世代(90年代)は、米国型競争重視、第三世代(21世紀)は非技術要素への着目としています。

4.パネルディスカッション「認証評価試行を踏まえて」
a)MOT認証基準の狙いと認証評価試行の概要
 ~MOT協議会教育研究専門委員会亀山委員長(東京農工大学技術経営研究科副研究科長)

MOT認証基準(案)制定作業の流れ、MOT大学院のプログラム開講状況、評価に向けて盛り込むべき項目、6つの基準値(目的、教育課程、教育の成果、教員組織、施設設備、教育の質の向上)などが説明された。また、10のMOT大学院のカリキュラムのたな卸しを行い、その教育の特徴や講義科目例、育成する人物像などを取りまとめた。

今後であるが、6項目ある評価基準値の改訂として、さらに1項目を追加し、それぞれのMOT大学院の特徴を出せるようにすること、日程がタイトであること、全体よりも個別評価に深く入るべきであることなどが示唆された。

b)山口大学 上西技術経営研究科研究科長

山口県を中心に、西日本の宇部、北九州、広島の3拠点を中心に、地域産業の中核をなす大企業の人材、中小企業の経営支援人材あるいは経営者予備軍の育成を目指している。

平日は現場において、土日は教室で実課題を検討し、また現場に持ち込む。場所柄、素材産業のコンビナート企業やデジタルエンジニアリングなどでの人材育成を心がけている。

認証評価試行を受けて、カリキュラムに技術者倫理やビジネス法務の科目の必要性、学生の受講時間の確保、自己点検書の改善などが問題意識として浮上した。

c)東京理科大 総合科学技術経営専攻 西野准教授。

平日夜と土曜日の授業を東京駅から10分の飯田橋にて行っている。一学年50名の学生に対し、π型教育システムを心がけている。

π型教育は、マネジメントとテクノロジーという二つの柱でスキルを得るとともに、その上にイノベーションを確立するものである。

教員については、アカデミック以外に、事業経験とコンサルティング経験の実務家教員をバランスよく構成しており、イノベーション科目とマネジメント科目、バックグランドの各科目(産業論科目、関連専門科目、演習科目、基礎科目)で構成されるとともに、ケースディスカッション、クラス討論、グループ研究・発表、企業訪問など実習、実践を重視した授業内容となっている。

認証評価試行による気づきであるが、一年全日制の廃止を企業アンケートによって決定したことの自主性、PDCAサイクルのAがまだ不十分であることなどが挙げられる。

d)芝浦工業大学専門職大学院工学マネジメント研究科 柴田順二教授

 入力(入学生の背景)、MOT教育プログラム、出力(教育目標)により構成されている。芝浦工大の入学生は建前上CEO,CTOレベルの教育を目指しているが、現実には多様性(年齢、職位、業種)がある。

MOT大学院教育の構造であるが、経営と工学が分解できない文理融合と、実務とアカデミックの領域を区別できない実理融合が存在するところに教育の難しさ、運営の高度化が求められてくる。

MOT教育の評価であるが、質の保証には絶対評価と相対評価があり、出力としては修了後の個人の満足度を測定し、「付加価値(教育効果)=出力-入力」でポテンシャルを見ることが求められよう。

e)三菱電機エンジニアリング・尾形仁士社長

日本の競争力の源泉は、技術立国と貿易立国であり、GDP=500兆円のうちの15%は、輸出に依存している。特に、一般機械、電機機器、輸送用機器で全体の69%を占める。

過去12年間、1994年から、GDPは、500兆円±10兆円で変化なしとなる。今後毎年3%の成長を求められるならば、誰がそれをまかなうのか。2020年には700兆円となり、200兆円を生み出すシナリオが必要となる。

200兆円をどう引き出すかであるが、今強いものをさらに強くする方が投資効果が強く、それをMOT教育の柱として、イノベーションは否定しないが、あくまで主従の従であることを理解すべきである。

これまでの技術系と事務系を分けての議論には違和感があり、それらの区別を撤廃し、ベクトルの向きを合わせることが、シナリオ実現には最重要となる。

f)日本経済新聞社、中村雅美編集委員。

Tあるいはπ字型人間は、横軸は学部で、縦軸を大学院で教育することが大事。横軸は、様々なことに関心を持ち、首を突っ込む。縦軸は、特定の分野に強い人材である。

MOT教育には、「現場に即した力、対応」「経営資源としての技術」「モノを単に作るのではなく、情報+倫理」であることを意識する。特に、前2者は実現しているであろうが、3点目の倫理は重要である。

g)MOT協議会 古川勇二会長(東京農工大学大学院、技術経営研究科長)

パネルディスカッションのモデレーターとして、それぞれのプレゼンと、基調講演の両会長らのコメントを用いて、問題の整理を試みた。

Q1:(古川)日立の中村フェローの指摘したビジョナリーカンパニーの各スキルをMOTとして教育できているのか。そうした具体的なスキルを養成するカリキュラムに進化すべきではないのか。

A1:(西野)ケーススタディによる追体験と、特別講師の招聘で、その講師が経験したことの背中を見て育てる。

Q2:(古川)ケーススタディ(追体験)とケースメソッド(自身の判断力の向上)のカリキュラムでの比率

A2:(上西)ケースメソッドが30%、通常の知識伝授が20%、演習が50%。それぞれはディスカッション重視だが、全体としては講師の先生らに任せ、よほど実力がない部分は、FDで強化する。

A2':(柴田)ケーススタディや成功体験では、暗黙知から形式知への移転、昇華が大事だが、理論化すると嫌われるので、踏み込まないように気をつけている。ただし、理論的試行は不可欠。

A2":(上西)どのようなバランスにするかは、有効なやり方があるが、それぞれの大学の特徴であり、個性を出せば良い。

Q3:(瀬戸屋@IMSセンター所長)MOTは経験を知識で代替するのだから、次世代を担う若手技術者に経営感覚を学ばせるべき。年取った方は修士のタイトルが欲しい、経営者のステータスになるからではないのか。

A3:(上西)山口大学では、70代もいる。これまでの経験を理論的に体系化し、退職後に中国でCTOになるケースがある。

A3':(西野)東京理科大では、最高齢は66歳。実践を理論で再整理し、社会に貢献したい。キャリアを整理し、ステップアップし、今はコンサルティングとして活躍。

A3":(古川)東京工業大学では、博士課程の学生が、MOTの一部を受講し、ダブルディグリーをもらう。あるいは、日本工業大学では、MOTを一年で取れる。そのあたり、修士を一年延長して、MOTの学位をとるような検討が行われている。

Q4:(古川)花王の後藤会長から、「テクノロジープッシュからコンセプトプルになりつつあり、技術を消費者価値に転換できる人材」とあったが。

A4:(尾形)ニーズが顕在化しなくなっている。試供品をばら撒き、方向を見出す時代が到来した。

Q5:(古川)日立の中村フェローから「提案力」「開発リーダー」の育成が指摘された。10兆円産業の彼らが新たな開発の人材育成を求めている。

A6:(柴田)コンセプトプルに概念は近いが、市場マーケティングだけでは足りない。たとえば、ウォークマンは、モノを消費者に見せてから、こういうものが欲しかったと購買意欲がわく。

A6':(西田)結局は修了生を見るしかない。時間をかけてトレースしする。法科大学院は、司法試験に合格するかで成果を判断できるが、MOT教育には限界がある。それでも、考え抜く最後までやりぬく、そういう機会を提供し、能力を高めるサポートをすることになる。

Q7 :(古川)日立の中村フェローは、知力、情熱、意志をスキルとして掲げた。これに何かコメントはあるか。

A7:(中村@日経編集委員)やはり社会的責任、倫理観を重視してほしい。違法性がなければ、何でも良いのではなく、製品やサービスなど生み出したものが、どう顧客に受け入れられ、波及するのかを意識してほしい。

以上

投稿者 isdr : 18:42 | コメント (0) | トラックバック

2007年09月17日

分析レポート@2007年度概況

分析レポートの、「2007年度概況」を更新しました。

また、「安倍政権下におけるイノベーション教育」(JMAマネジメントレビュー 2007年2月号)の全文をアップしました。あわせて、ご参照ください。

投稿者 isdr : 09:02 | トラックバック

2007年09月04日

第3回MOTシンポジウム開催のお知らせ

第3回MOT協議会が、2007年9月27日(木)、13:00~17:00に日経ホール(大手町)にて開催されます。

主催は、「MOT協議会」。後援は、文部科学省、経済産業省、日本MOT学会、日本経済新聞社、ニューディール研究所、芝浦工大・早大・理科大・東工大・農工大・日本工大・山口大・九州大・長岡技科大・新潟大です。

先着順に300名、参加費は無料です。セキュリティ上、当日の入場が出来ませんので、事前登録が必要です。まだ、若干席に余裕がありますので、今のうちに、、「登録・お申し込み」されることをお勧めします。

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<プログラム>

13:00-13:15 開会挨拶 MOT協議会会長 古川 勇二
         文部科学省 高等教育局専門教育課長 藤原 章夫
         経済産業省 産業技術局大学連携推進課長 吉澤 雅隆

13:15-14:00 基調講演 『企業の成長を支える技術経営』
         花王株式会社会長 後藤卓也 氏

14:00-14:45 基調講演 『企業イノベーションとMOT教育』
         株式会社日立製作所フェロー 中村道治 氏

14:45-15:00 休憩

15:00-16:50 パネルデイスカッション
         『MOT教育の最前線:認証評価試行を踏まえて』
         ○モデレーター
         古川 勇二 MOT協議会会長、 
         東京農工大学大学院技術経営研究科長

         「MOT認証基準の狙いと社会貢献」
         亀山秀雄 MOT協議会教育研究専門委員会委員長

         パネルディスカッション
         三菱電機エンジニアリング株式会社 尾形仁士 社長
         芝浦工業大学 柴田順二 研究科長
         東京理科大学 西野 和美 准教授 プログラム・コーディネータ
         山口大学 上西 研 研究科長
         日本経済新聞社 中村雅美 編集委員

16:50-17:00 パネルディスカッションのまとめ
         古川 勇二

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