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『MOTランキング(後編)〜日本型MOTのこれから』
(JMAマネジメントレビュー 2006年2月号)

 日本のMOTの現状について述べた前編に続いて、後編は「日本型MOTのこれから」です。競争相手である海外の動きをふまえ、日本型MOTが発展していくための3ポイントを解説。日本型MOTのとるべき道を示しています。


1.イノベートアメリカからの示唆
 『イノベートアメリカ』は2004年12月にアメリカで発表された論文で、イノベーションが競争力を高めると謳っている。そのなかには、日本の競争相手が中国や韓国、インドへと広がりを見せていること、イノベーションを引き起こす要因が点から線、線から面へと移行し、その時々で組むべき相手が変わってくる、という日本への2つの示唆が盛り込まれている。また、同論文では科学技術系のハイテク知識を引き続き育成するには工学系大学院の強化とハイテクIT分野でのエンジニアリングに向けたサポートが重要であるとしている。

2.海外のMOT大学院について
 アメリカのMOTは日本と違って企業側からの教育育成ニーズに呼応した形をとっている。これは80年代の半導体特区や軍需産業特区に進出した企業群の中から優秀なエンジニアを獲得するための人材育成が求められたことが背景にある。一方、アジア諸国のMOT大学院はもともとアジア諸国では欧米への留学を奨励していこともあり、現在はさまざまな機会を利用し欧米系大学院とのつながりを強化している

3.日本のMOT大学院の課題
 海外との差別化に追われている日本のMOT大学院の最大の課題は産業界の理解を得られていないことにある。これはMOT大学院自身がそのような人材を育てるのか明確なビジョンを持っておらず、企業に対してMOT人材を採用する、あるいは育成するために大学側に送り出すインセンティブを示せていないところにある。MOT大学院が隆盛していくためには、企業、大学、MOT修了生間で“Win-Win”の関係を成立させていくことが求められる。

4.日本型MOTの3ポイント
 このレポートが出る頃、本格運用を始めたMOT大学院はようやく1年目が終わろうとしている。一方、先行するMOT大学院は卒業生の評価が明らかになってくる。色々な批評が出てくるなか、今後どのように運営していくべきかポイントを3つあげて考察した。

@柔軟な授業時間、時間割の編成
 社会人のみを対象とするのか、学生数が足りず学部学生からの進学を受け入れるのか、MOT大学院の主たるターゲットは誰かを考えていくことが求められる。社会人をターゲットとした場合、週末や夜間のカリキュラムの充実が必要となる。MOT大学院は自らのポジションを「どこに取るか」を明確にしたブランドづくりを心掛けることが求められている。

A基礎課程の排除
 社会人学生の場合、予習復習の時間が十分とれず、1年目に細切れに教えられる教科が負担になるという声か聞かれる。なかでも、2年目に行なわれる自己研究を1年目から前倒しで研究したいという要望が強い。

B知的財産権(企業の経営情報の取扱い)
 MOT大学院の中には、学生が所属する企業からケーススタディのための各種企業研究を持ち寄って、答えを出そうとするビジネスモデルがある。しかし、多くのMOT大学院側が企業の内情を理解していないために、企業側は経営情報を出そうとしない。こうした問題を解決するためにはMOT大学院は戦略的な枠組みを検討していかなければならない

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